「名画は知っている恐ろしい世界史の秘密」力石幸一著 副島隆彦解説

公開日: 更新日:

「名画は知っている恐ろしい世界史の秘密」力石幸一著 副島隆彦解説

 1483年、フィレンツェに届いた「ポルティナーリ祭壇画」は人びとを驚愕させた。キリスト生誕の絵に神の子を祝福する羊飼いが粗野でみすぼらしく描かれている。キリスト教の聖域に現世の俗物が侵入するなどあってはならないことだ。しかも背景はベツレヘムではなくフランドルに置き換えられている。

 これは作者のヒューホ・ファン・デル・フースが信仰より民衆の生活の方が重要だと主張したかったからではないか。当時、民衆にキリスト教に対する不信が芽生え始め、プラトンの思想が広まり始めていた。それがフィレンツェのルネサンスに衝撃を与えたのでは?

 名画に隠された世界史の真実を読み解く一冊。 (ビジネス社 2090円)




【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール