「大航海時代の日本人奴隷」ルシオ・デ・ソウザ、岡美穂子著

公開日:

 戦国時代の日本に「奴隷」とされた人々が多数存在し、ポルトガル人は南蛮貿易船で彼らをアジア、欧州まで運び人身売買を行っていた。

 たとえば、日本人奴隷ガスパール・フェルナンデス(日本名は不詳)は、1577年に現在の大分県に生まれるが、8歳ごろに誘拐され長崎にいたポルトガル商人ルイ・ペレスに売られた。そして、ペレス一家と過ごすうちに語学力がつき、のちに解放されメキシコの地で自由民として生涯を終えている。

 16世紀欧州では、キリスト教徒への改宗者の中にいるユダヤ人の子孫を見つけ出すための異端審問が頻繁に開かれていた。本書は審問の場に呼ばれた3人の日本人奴隷の証言記録から、彼ら日本人奴隷の人身売買の実態や暮らしぶり、さらに、歴史の流れに埋もれ人知れず生涯を終えた人々の「大航海」にも光を当てた研究書である。(中央公論新社 1400円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    長野以外にGベテランリスト漏れ 広島“ポロリ発言”の波紋

  2. 2

    裏交渉も暴露され…ロシア人も哀れむ安倍政権“土下座”外交

  3. 3

    自公3分の2圧勝シナリオ 1.28通常国会“冒頭解散説”急浮上

  4. 4

    海老蔵は“秒読み”? 没イチ男性が死別再婚する時の注意点

  5. 5

    巨人ナインに深刻“長野ロス”…超気配り男の逸話伝説も数々

  6. 6

    仏当局捜査“飛び火”か 五輪裏金疑惑で日本政界が戦々恐々

  7. 7

    初登場G球場で“孤独トレ” 丸は巨人で「我」を貫けるのか

  8. 8

    また生え抜き看板…巨人“大チョンボ”長野流出の真相と波紋

  9. 9

    USJ導入で注目 深刻な人手不足に「変動料金制」拡大の予感

  10. 10

    “NHKシフト”へ本格始動と話題 内村光良が日テレを見切る日

もっと見る