「戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ」マイク・モラスキー著

公開日: 更新日:

 アメリカ発祥の音楽、ジャズを切り口に、戦後日本の映画や文学を考察した文化論。

 まずはジャズと日本人との歴史を概観。その上で黒沢明監督の「酔いどれ天使」と井上梅次監督の「嵐を呼ぶ男」の2本の映画を例に、日本映画の中でジャズがどのように扱われたかを論じる。酔いどれ天使では、ジャズはクラシックの「高」に対する「低」に描かれていると、黒沢監督が固執する二項対立の社会観に言及。一方、嵐を呼ぶ男に戦後日本のジャズ状況の変遷や一般の人のジャズに対する認識を垣間見る。その他、文学に登場するジャズや、日本独自の空間であるジャズ喫茶の文化空間としての多面性など、戦後の日本文化の中で反響するジャズの音色に耳を傾ける。(岩波書店 1340円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ