「オバさんになっても抱きしめたい」平安寿子著
1985年生まれの美結は、物心ついた頃からバブル崩壊後の「不景気の申し子」として生きてきた。一方、美結の会社で女子社員を束ねる主任の里佳子は、1968年生まれでバブルの恩恵を味わいつくした世代。美結は、バブルで踊ってばかりいたのに自分の価値観で若い世代を教化しようとする里佳子に反感を抱く。
おまけに「自分に投資」とファッションにも金をかける里佳子が、美結が密かに心を寄せる取引先の野々村になれなれしく声をかけるのも気に入らない。一方の里佳子に言わせれば、オクテの美結がじれったくて、行動を起こす機会を与えようとしているだけなのだが……。
ジェネレーションギャップをテーマにしたバトル小説。
(祥伝社 620円+税)