「子どもの病気 常識のウソ」松永正訓著
19年間、大学病院の小児外科で手術や抗がん剤治療に携わり、11年前から小児クリニックの院長になったという著者が小児医療の「常識」に問題提起した本。例えば「早く風邪薬を飲むと、早く効くような印象があるが、本当なのか?」という疑問に、「人類は風邪ウイルスを退治できない」と断言し、「風邪がひどくならないうちにクリニックを受診すれば、早く風邪が治るというのはウソ」と教えてくれる。それどころか、過去の風邪薬の中には無効な成分や危険な成分が含まれていたというから驚きだ。
ほかにも「アトピー性皮膚炎にステロイドは危ないのか?」「モーチョーは簡単な病気なのか?」など親が陥りやすい誤解や思い込みを正確な医学知識で解いてくれる。
(中公新書ラクレ 840円+税)