「ゲノムが語る人類全史」アダム・ラザフォード著 垂水雄二訳 篠田謙一解説
DNA解読技術が進み、ネアンデルタール人の骨髄から採取されたミトコンドリアDNAはすべての現生人類のミトコンドリアDNAとは異なることがわかった。ところが、クロアチアで発見された3万8000年前のネアンデルタール人のDNAから、われわれの祖先であるホモサピエンスとの交配があったことがわかった。ヨーロッパ人のDNAの2・7%がネアンデルタール人由来だという。また、ネアンデルタール人はシベリアの奥地で発見された第3の人類、デニソワ人とも交配していた。デニソワ人のDNAからは、骨が見つかっていない第4の人類との交雑が判明している。
書き換えられた人類進化の歴史を解説する。
(文藝春秋 2250円+税)