「健康という病」五木寛之著

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 著者は、敗戦後70年あまり歯科以外の病院の世話になったことがなく、検査なども一切せず、自らの体が発する声に耳を澄ませながら養生を心がけてきた(つい最近、左脚の痛みによって戦後初めて病院に行ったそうだが)。その著者からすると、いまの日本は〈健康という病〉が蔓延しているように見えるという。

 たしかに新聞・雑誌、テレビ・ラジオなどで連日多種多様な健康情報が流されている。こうした情報の氾濫により、健康に対する関心は高められるが、その情報自体がストレスになるという逆説も生まれる。

 しかも専門家によって正反対の健康法を勧める場合も多い。たとえば、寝る姿勢は横臥位がいいという人と、あおむけが最適だという人。一時期は諸悪の根源のようにいわれていたメタボだが、最近では痩せているより小太りの方が長生きするといわれ始めている。

 肝心なのは、「完全な健康」という幻想にとらわれて情報に振り回されず、病と上手に付き合っていくこと。それが「人生100年時代」を生きていく新しい健康法なのだ、と。(幻冬舎 760円+税)


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