「古地図から読み解く城下町の不思議と謎」山本博文監修

公開日: 更新日:

 熊本城は築城の名手、加藤清正が築いた城だ。一般には、機密保持のため街道は城から離れた地に通すが、清正はあえて城内に豊前街道を通した。これは豊前街道が薩摩藩島津家の参勤交代路だったので、島津家が通るたびに熊本藩が監視することによって戦意を喪失させようという意図があったためだ。

 また、江戸では武家地と町人地がはっきり分けられているが、犬山城は成瀬正成が城主の時代、城下の中心に町人地が配され、それを武家屋敷と惣構(外郭)が囲んでいる。これは、敵が攻めてきたときに惣構と武家屋敷で食い止める構造だという。

 古地図と現代図を比べることで城下町の秘密が解明できる、城好きにお薦めの一冊。(実業之日本社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々