「刑事の血筋」三羽省吾著

公開日: 更新日:

 緊急招集で叩き起こされた高岡守と同僚の久隅が現場で見たものは少し前、公務執行妨害容疑で逮捕し、20日間の勾留の後釈放された木村正の無残な遺体だった。

 そんな折も折、高岡の3つ上の兄で警察庁のキャリアになっていた剣が地元に異動になって帰ってきた。実はここの県警の会計があまりにも真っ白で、逆に警察庁の会計課に疑いを持たれた。その内偵役に剣が指名されたのだ。

 それぞれが捜査を進めていくうちにひとつの言葉が浮かび上がった。「存在の売買」――。戸籍を含めてある人間の存在そのものを買い取り、それを必要とする人間に売るという商売なのだ。

 2人の父・敬一郎の殉職の謎にも迫りながら巨悪を暴く警察小説の粋。

(小学館 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状