• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「おまじない」西加奈子著

「炎上する君」以来、8年ぶりの短編集。キーワードは「おじさん」と「魔法の言葉=おまじない」だ。

 全8編の登場人物はいずれも訳ありの「女の子」(年齢はまちまち)で、さまざまな人生の転機に思い悩んでいる。そんな彼女たちの背中を、おじさんが魔法のひとことで、そっと背中を押してくれる――。

 初めてスカートをはいてかわいい女の子の仲間入りをするが、周囲から浮いてしまった少女と、中庭の焼却炉で何かを燃やしているおじさん(「燃やす」)。ファッションモデルの仕事に自信を失った女の子と、いちご中心に世界が回っているおじさん(「いちご」)。自分の不細工ぶりをネタにしているキャバ嬢と落ちぶれた芸人(「あねご」)。結婚したさにわざと妊娠したと思われるのではと悩む妊婦と、覚醒剤に手を出して地に落ちた元スターサッカー選手(「マタニティ」)……。

 女の子とおじさんという、およそ相いれない両者の組み合わせが、作者の魔法によって思わぬ異化効果を生み出す。著者自らの手になるイラストレーションも見どころ。

(筑摩書房 1300円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    太った? 元AKB小嶋陽菜のムッチリ体型にファン容赦なし

  2. 2

    矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ

  3. 3

    股関節痛め広島視察中止…安倍首相に健康不安説また再燃

  4. 4

    ZOZO社長とW杯決勝観戦 剛力彩芽“はじけっぷり”に心配の声

  5. 5

    障害年金は支給継続も…非情な政策を傍観した公明党の大罪

  6. 6

    忖度が世代交代の妨げに…日本が4年後W杯で払う大きなツケ

  7. 7

    小沢一郎氏の知恵袋が指摘 安倍政権による「内乱」予備罪

  8. 8

    小泉&小沢の“異色タッグ”は政界再編の起爆剤になるのか

  9. 9

    静香次女コウキ ファッション業界で囁かれる“本当の実力”

  10. 10

    年俸500万円でDeNAへ 中後が語っていたマイナー時代の苦労

もっと見る