「それまでの明日」原尞著

公開日:  更新日:

 渡辺探偵事務所の沢崎のもとに、ある金融会社の新宿支店長・望月皓一と名乗る紳士がやってくるところから物語は始まる。

 なんでも融資を頼まれている赤坂の料亭の女将の身辺調査をしてほしいというのだ。社内の勢力争いも絡んでいるので、緊急時以外は電話を控えてほしいという望月の要望もあって、望月からの連絡を待つつもりでいた沢崎だったが、調査対象の女将がすでに亡くなっていた。仕方なく連絡をとろうとするものの肝心の望月がつかまらない。そこで、外出先から社に戻るタイミングで望月をつかまえようと、新宿支店まで出かけていった沢崎は、銀行強盗に巻き込まれ人質になってしまう……。

 私立探偵・沢崎が活躍するハードボイルド長編「そして夜は甦る」でデビューして以来、沢崎シリーズを長年書き継いできたミステリー界の伝説の作家による14年ぶりの新作。ありきたりの依頼だったはずの身辺調査が、調査対象が亡くなっているうえに、依頼人まで姿を消すというストーリー展開で、読者は思わぬところへ連れていかれる。時を経て蘇った探偵・沢崎の世界観がたっぷり楽しめる。

(早川書房 1800円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    毒づきがアダに…和田アキ子"平成ラスト紅白"落選は当然か

  2. 2

    また仰天答弁…桜田五輪相は地元も見放した“柏の出川哲朗”

  3. 3

    豊洲市場開場から1カ月…腐敗臭に続きの床が「穴」だらけ

  4. 4

    “原爆Tシャツ”波紋のBTS 「紅白落選」の影響と隠れた本音

  5. 5

    宮沢りえホクロ取って正解? 鑑定歴25年の占い師に聞いた

  6. 6

    日米野球で打率4割 SB柳田“33歳でメジャー挑戦”の現実味は

  7. 7

    BTSと東方神起は紅白落選…TWICEだけが残ったワケ

  8. 8

    巨人“台湾の大王”王柏融スルーは広島FA丸取り自信の表れ

  9. 9

    鼻を突く生臭さ…豊洲市場の内外で漂い始めた「腐敗臭」

  10. 10

    キムタクと2ショット解禁 コウキ操る静香のシタタカ戦略

もっと見る