「身代わり忠臣蔵」土橋章宏著

公開日: 更新日:

 時は元禄14年。呉服橋近くにある武家屋敷で吉良上野介は、いらだちを募らせていた。

 50歳を過ぎた末弟・孝証がたびたび金の無心をするが、一度も返したことがない。赤穂藩主の浅野内匠頭も指南料をよこさず、そのことも頭にきていた。

 そんなさなか、江戸城の松の廊下で吉良上野介は、浅野内匠頭に斬りつけられ、意識不明になってしまう。

 そこで白羽の矢が立ったのが、上野介にそっくりな孝証だ。兄の身代わりになり、お上の取り調べをこなし、やれやれと思ったときに兄は死亡。“上野介”として何不自由ない生活を送る孝証だったが、やがて、切腹を命じられた浅野内匠頭を慕う赤穂浪士の敵討ちを耳にし……。

 替え玉人生の極楽と地獄を描く新・忠臣蔵物語。

 (幻冬舎 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情