日刊ゲンダイDIGITAL

  • facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「壺中の回廊」松井今朝子著

 昭和5年、大学講師の桜木治郎は、歌舞伎を上演する木挽座を経営する興行会社に「掌中の珠を砕く」との脅迫状が届いたと耳にする。治郎の祖父は、江戸歌舞伎の大作者と呼ばれた治助、父は裏方として劇界に君臨したが、治郎は封建的な旧劇の世界を見切って跡を継がなかった。脅迫状が気になり、木挽座の楽屋に「珠」候補となる花形役者たちを訪ねた治郎は、若手の花形・蘭五郎から彼が企画する自主公演への協力を求められる。

 翌月、治郎が木挽座で「仮名手本忠臣蔵」を観劇中、蘭五郎が出番なのに舞台に現れない。異変を察した治郎が楽屋に駆け付けると蘭五郎は毒殺されていた。治郎は築地署の笹岡と真相究明に乗り出す。

 歌舞伎の世界を舞台にした時代ミステリー。(集英社 820円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事