「ヘイ・ジュード」小路幸也著

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 物語の舞台は、東京下町の大家族・堀田家が営む古書店「東京バンドワゴン」。86歳になった3代目店主・堀田勘一のひ孫の花陽は、かねて目指していた大学医学部の受験が間近。花陽のいとこのかんなと鈴花はそろって小学校に入学と、一家には変化の春が訪れようとしていた。

 さらに花陽の進学を機に、花陽の母の藍子は夫のマードックと共にしばらく英国へと旅立つことに。新生活に合わせて、一家総出で家庭内引っ越しが行われた。そんな折、常連客の藤島さんの父親が亡くなった。書家だった彼のための記念館設立の話が持ち上がったことから、思わぬ縁がつながるのだが……。

 本書は、人気の「東京バンドワゴン」シリーズ第13弾。

 勘一の妻で、すでに故人であるサチが語り手となって、堀田家の日々の出来事を紹介していく構成で話は進む。今回はそれぞれ春の転機を迎えた人々が、店に舞い込む数々の厄介事を下町ならではの人情と愛で解決していくストーリーだ。すくすくと大きくなっていく子どもたちや、さまざまな事情を抱えた人たちを、見守り支えていく大家族のまなざしが優しい。 (集英社 1500円+税)

【連載】ベストセラー読みどころ

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