「ヘイ・ジュード」小路幸也著

公開日: 更新日:

 物語の舞台は、東京下町の大家族・堀田家が営む古書店「東京バンドワゴン」。86歳になった3代目店主・堀田勘一のひ孫の花陽は、かねて目指していた大学医学部の受験が間近。花陽のいとこのかんなと鈴花はそろって小学校に入学と、一家には変化の春が訪れようとしていた。

 さらに花陽の進学を機に、花陽の母の藍子は夫のマードックと共にしばらく英国へと旅立つことに。新生活に合わせて、一家総出で家庭内引っ越しが行われた。そんな折、常連客の藤島さんの父親が亡くなった。書家だった彼のための記念館設立の話が持ち上がったことから、思わぬ縁がつながるのだが……。

 本書は、人気の「東京バンドワゴン」シリーズ第13弾。

 勘一の妻で、すでに故人であるサチが語り手となって、堀田家の日々の出来事を紹介していく構成で話は進む。今回はそれぞれ春の転機を迎えた人々が、店に舞い込む数々の厄介事を下町ならではの人情と愛で解決していくストーリーだ。すくすくと大きくなっていく子どもたちや、さまざまな事情を抱えた人たちを、見守り支えていく大家族のまなざしが優しい。 (集英社 1500円+税)

【連載】ベストセラー読みどころ

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元女優にはいまだ謝罪なし…トラブル「完全否定」からの好感度アップ図る長渕剛のイメチェンSNS

  2. 2

    高市派「石破おろし」巻き返しに漂うヤブヘビ感…杉田水脈氏らが保守系月刊誌で開陳しためちゃくちゃ論調

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    救済チャリティーでの小田和正に、娘は何度も「この日を絶対忘れない」と

  1. 6

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  2. 7

    異常すぎる兵庫県政…中学生記者が初めて出席した定例会見での斎藤元彦知事には、表情がなかった

  3. 8

    阪神藤川監督がそんなに嫌い? 掛布雅之OB会長が「佐藤輝明のスタメン外し」に苦言連発の深層

  4. 9

    巨人・小林誠司がファンから圧倒的に支持される秘密…二軍では休日返上で練習、若手の手本になっていた

  5. 10

    TBS田村真子アナ「ほぼ無双状態」に突入のワケ… エース候補のお手本は“地味キャラ”だった先輩アナ