「馬たちよ、それでも光は無垢で」古川日出男著

公開日: 更新日:

 福島県出身の作家は、かつて東北6県を舞台にしたメガノベルを執筆。その主人公である兄弟に「そこへ行け」と突き動かされ、東日本大震災1カ月後の被災地に足を踏み入れた。自らの内なる声に耳を澄ましながら、被災地で目にした情景をつづる手記。

 震災当日、次作の取材のため京都にいた氏は、テレビの報道を注視し続け、時間の感覚が喪失する「神隠しの時間」を過ごす。その間、「どうして犠牲者は私ではないのか」との自問が続く。

 15日後、顔見知りの編集者に福島行きへのサポートを依頼。話はすぐにまとまり、4月のある深夜、同行者3人とともにレンタカーで「そこを見る」ために北に向かい、作家の目で見た被災地をリアルタイムで描く。 (新潮社 400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  3. 3

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  4. 4

    参政党・神谷宗幣代表 にじむ旧統一教会への共鳴…「文化的マルクス主義」に強いこだわり

  5. 5

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  1. 6

    福山雅治、石橋貴明…フジ飲み会問題で匿名有力者が暴かれる中、注目される「スイートルームの会」“タレントU氏”は誰だ?

  2. 7

    広陵問題をSNSの弊害にすり替えやっぱり大炎上…高野連&朝日新聞の「おま言う」案件

  3. 8

    桑田真澄が「KKドラフト」3日後に早大受験で上京→土壇場で“翻意”の裏側

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  5. 10

    「時代に挑んだ男」加納典明(38)同年代のライバル「篠山紀信と荒木経惟、どっちも俺は認めている」