ガラスの天井を突き破ったリケジョたち

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「世界を変えた50人の女性科学者たち」レイチェル・イグノトフスキー著、野中モモ訳

 トランプに敗れたヒラリー・クリントンのように、世の女性たちが男性と対等の地位を得るには、男性以上の能力に加え、女性だけの頭上にある「ガラスの天井」を突き破らなければならない。

 科学の分野でも、かつて女性が専門的に学ぶことがなかなか許されない時代が長く続いた。本書は、そうした逆境にもめげず、自然科学・工学・数学・医学などの分野で輝かしい業績を残した女性たちを紹介する人物図鑑。

 例えば、エイダ・ラヴレスという女性をご存じだろうか。1833年、17歳だったエイダは、コンピューター科学の先駆者チャールズ・バベッジが発明した汎用計算機「階差機関」に一目ぼれ。やがて彼の共同研究者になった彼女は、コンピューターが音楽を生み出すなど、人間の思考を拡張したものとなる世界を想像。ベルヌーイ数と呼ばれる有理数の段階的な数列を求める方法を開発した。これが史上初のコンピューター・プログラムなのだそうだ。

 その他、数学・天文学・哲学に通じ「アレクサンドリア最古の女性教師」といわれたが、暴徒に暗殺されたエジプトのヒュパティア(350?~415年?)をはじめ性染色体による性決定の仕組みを発見したネッティー・スティーヴンズ(1861~1912年)、核分裂を発見したユダヤ人亡命物理学者リーゼ・マイトナー(1878~1968年、男性共同研究者だけがその功績でノーベル賞を受賞)、そして異色なところではハリウッドの大女優でありながら現在のスマートフォンやGPSにも利用されている通信技術を開発したヘディ・ラマー(1914~2000年)ら、古代から現代まで50余人の女性たちが登場。

 簡潔な記述とポップなイラストで子供と一緒に読むのにお勧め。娘へのプレゼントにも適。

 (創元社 1800円+税)

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