「ゴッホのあしあと」原田マハ著
人気作家が、「炎の画家」ゴッホの知られざる素顔に迫るアートエッセー。
わずか37年の生涯だったゴッホが、画家を志したのは27歳のとき。私たちが彼の絵と聞いて思い浮かべる作品は、32歳でパリに出て以降の約4年間に描かれたものだ。
各地を転々としていたゴッホは、1886年にパリで日本の浮世絵と出合い、作風に大きな変化が表れる。
一方、彼の死後わずか20年の1910年に日本で紹介されると、作品を見るため渡欧する熱狂的なファンが大勢現れるほど、ゴッホと日本人は、はるか昔から相思相愛の関係だったという。
パリに日本美術を紹介した美術商・林忠正の存在や、ゴッホゆかりの地を巡る旅などを織り交ぜながら、ゴッホ作品に新たな魅力を見いだす。
(幻冬舎 760円+税)