「いつも日本語で悩んでいます」朝日新聞校閲センター著

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 普天間基地の辺野古移設工事をめぐって、菅官房長官が「粛々」という言葉を使ったことが、「上から目線」だと沖縄県民を怒らせた。

「粛々」は「おごそか」「静か」という意味をもつが、頼山陽が川中島の戦いを詠った漢詩に「鞭声粛々、夜、河を過る」と詠んだことから、「集団が秩序を保って何かを遂行する」というイメージに転じ、苦境にある政治家が使うようになった。それが、相手から意見を受けても足は止めないという印象を与える。

 菅長官は「粛々」を使わないと言うが、「上から目線」が姿勢も含むとすると、言葉の言い換えだけで収まる問題ではない。

 ほかに「入籍」など、校閲者が日々格闘している言葉を紹介。

(さくら舎 1400円+税)


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