「いつも日本語で悩んでいます」朝日新聞校閲センター著

公開日: 更新日:

 普天間基地の辺野古移設工事をめぐって、菅官房長官が「粛々」という言葉を使ったことが、「上から目線」だと沖縄県民を怒らせた。

「粛々」は「おごそか」「静か」という意味をもつが、頼山陽が川中島の戦いを詠った漢詩に「鞭声粛々、夜、河を過る」と詠んだことから、「集団が秩序を保って何かを遂行する」というイメージに転じ、苦境にある政治家が使うようになった。それが、相手から意見を受けても足は止めないという印象を与える。

 菅長官は「粛々」を使わないと言うが、「上から目線」が姿勢も含むとすると、言葉の言い換えだけで収まる問題ではない。

 ほかに「入籍」など、校閲者が日々格闘している言葉を紹介。

(さくら舎 1400円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

  2. 2

    “ケチ付き昇進”横綱豊昇龍がまた休場…名ばかり横綱だった先輩2人との「いや~な」共通点

  3. 3

    参政党が急失速か…参院選「台風の目」のはずが賛同率ガタ落ち、他党も街頭演説で“攻撃”開始

  4. 4

    君はそれでも参政党に投票するのか…若者たちの“熱狂”が引き寄せる「徴兵制」「治安維持法」

  5. 5

    “金星プレゼンター”横綱豊昇龍に必要な叔父の図太さ…朝青龍は巡業休んでサッカーしていた

  1. 6

    “トンデモ発言”連発の参政党が参院選終盤でメディア批判を展開する理由…さや候補も「マスコミはウソつき」

  2. 7

    石破と菅が練る「敗戦処理」案…幹事長交代で、進次郎起用、連立相手は維新が本命

  3. 8

    5周年のSnow Man“目黒蓮独走”で一抹の不安…水面下のファン離れ&グループ内格差

  4. 9

    参院選で激戦の千葉選挙区で国民民主党“激ヤバ”女性議員を自民県連が刑事告発し泥仕合に

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒