「戦時の音楽」レベッカ・マカーイ著、藤井光訳

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 アーロンは3人の亡霊と一緒に、9本指のバイオリニスト、ラデレスクの演奏を聴いていた。亡霊は、戦争中、アーロンの父が立てこもっていた音楽学校で死んだ、女性と少年とハンガリー人だった。ラデレスクはアーロンの父の師で、ルーマニアで最も歴史のある大学で教えていた。

 戦後、共産党政権は突然、彼を投獄し、二度とバイオリンを弾けないようにするため、彼の右手の薬指を切り落とした。ラデレスクは囚人服の糸とベッドの板でバイオリンを作った。そして今夜、20年の静寂の後に、本物のバイオリンの艶のある音は彼の耳にどう響いたのか、アーロンは感じ取ろうとした。(「これ以上ひどい思い」)

 運命に翻弄された人たちを描く17編の物語。

(新潮社 2000円+税)

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