「さらば、シェヘラザード」ドナルド・E・ウェストレイク著、矢口誠訳

公開日: 更新日:

 ページを開いてまず驚かされるのはノンブルが上下両方についていること。第1章が25ページずつ6回も繰り返され、第2章も2編あり、それからやっと最終章にたどり着くという奇妙な構成なのだ。

 物語の主人公はポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリス。彼の悩みは締め切りが近づいてもまったく書けないこと。いざ書き始めても自身の生活や夫婦問題のあれこれが紛れ込んで物語はなかなか進まない。そして小説は延々と第1章、25ページが繰り返されるが、ある日、書きかけの原稿が原因でエドは思いもかけないトラブルに巻き込まれる――。

 リチャード・スターク名義の<悪党パーカー>シリーズなどでおなじみの著者の半自伝的実験小説の本邦初訳。

(国書刊行会 2400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  2. 2

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 3

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  4. 4

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  5. 5

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  1. 6

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  2. 7

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  3. 8

    風間俊介の“きゅるるん瞳”、庄司浩平人気もうなぎ上り!《BL苦手》も虜にするテレ東深夜ドラマの“沼り力”

  4. 9

    前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪

  5. 10

    山下美夢有が「素人ゴルファー」の父親の教えでメジャータイトルを取れたワケ