「原爆」石井光太著

公開日: 更新日:

 陸軍特務機関の一員だった長岡省吾は、除隊後、中国で地質学鉱物学研究所を開設して天然資源の調査研究を行っていた。原爆が落とされた後、実家のあった広島に入り、神社で原爆の熱線で溶解した灯籠の土台に目を留めた。石が血を流しているように見え、「石についた被爆の跡を調べれば、原爆が発した熱線や爆風、それに爆心地が明らかになるにちがいない」と変形した石を拾い集めた。その後、日本政府の原爆調査に加わる。

 そんな長岡に広島市長、浜井信三が声をかけた。浜井は復興都市計画の中で、原爆の実態を知らせる施設(広島平和記念資料館)を造ろうとしていたのだ。

「75年間は草木も生えない」といわれた広島を復興させた人々を描く。(集英社 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ