「平成の東京12の貌」文藝春秋編

公開日: 更新日:

 ノンフィクション作家12人が、変貌する東京の街をテーマにつづるリレールポルタージ。

「ゴジラとタワーマンション」と題した髙山文彦氏の作品は、東京タワーの大展望台から見渡したタワービル群の光景から始まる。200メートル超えのそれらの建物を目の当たりにして、身長50メートルのゴジラはもはや、東京を破壊することなどできないではないかと嘆く。

 一方で、数年前にタワーマンションの43階から転落死した6歳の女の子の事件に思いを馳せる。近年、蔓延する「高所平気症」なる傾向を指摘し、タワマンは便利と安全とを引き換えに、大いなるものを人間から遮断し、奪ってはいないかと問いかける。

 その他、保育園建設に反対する住民を取材する森健氏など、それぞれの視点で東京を見つめる。

(文藝春秋 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性