「途中下車はできません」 山本巧次著
カメラマンの富樫里恵が富良野線美馬牛駅の近くで見つけた「びばうし茶房」。30代前半で整った顔立ちの久内美和が経営している。以前は札幌でOLをしていたようだが、里恵が定宿にしている民宿では、客たちが、ストーカーから身を隠しているのではないかなどと噂をしている。美和は2年前には80キロを超える体格をしていた。
ある日、映画を見た後、入ったカフェで、自分と同じ映画のパンフレットを持っている男と出会った。声をかけてきた男と親しくなった頃、その男から、ダイエットドリンクを勧められたのだ。
北浜、音威子府など北海道の5つの駅で起きた物語が、最終章で意外な結末を迎える。
(小学館 1400円+税)