「退職勧告」江波戸哲夫著

公開日: 更新日:

 48歳の大下が勤務する不動産会社は、経営不振を乗り切るため、組織を改編。営業課が統合され、1課長が営業部長となり、2課長だった大下は部次長となった。途中入社で人事に不満はない大下だが、組織の再編後、かつての部下らも部長に指示を仰ぐようになり、社内失業者となってしまう。

 自分を同社に引き抜いてくれた常務に相談すると、会社は関西支店への転勤を命じてきた。大下は、自分に嫌がらせをするための辞令を拒絶。すると、突然会社から解雇通知が自宅に届いた。大下は妻の助言を受け、マスコミで話題の「日本管理職組合」に所属し、会社に団交を申し入れることに。

 企業の横暴に振り回される男たちの戦いを描いた短編ビジネス小説集。

(祥伝社 650円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘