「虫への祈り」柏田雄三著

公開日: 更新日:

 森羅万象に生命が宿ると考え、感謝する伝統のある日本にはさまざまな供養塚があるが、「虫塚」もそのひとつ。古くは害虫の供養から始まり、時を下るにつれさまざまな目的・動機によるものが造られるようになった。

 害虫供養を目的とするもので最も古いと考えられるのは東京都八王子市の広園寺の「虫塚」で、1400年ごろの建立だ。

 有益昆虫である蜜蜂、蚕を慰霊するものも多数存在する。蜜蜂の石碑は養蜂組合などの団体により、昭和30年代から平成の初めまでにかけて建てられている。

 他にもバッタ塚(北海道京極町)、蝉鐘楼(茨城県下妻市)など供養碑から、虫を表す歌碑、虫の名を冠する寺社まで紹介する虫塚紀行。

 (創森社 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変