「がまんしない医者の食卓」内海聡著

公開日: 更新日:

 食や原発など多岐にわたる発信を行い、フェイスブックのフォロワー数が15万人を超えている医師が、健康で長生きするための食との向き合い方を伝授。やみくもに何かを食べたり食べなかったりするのではなく、自分はどんな食べ方をし、何を食べているのかを振り返ることこそが健康の第一歩だと説いている。

 健康のためにまず始めるべきなのが「朝食抜き」だという。実は、私たちの体は朝一番に食物を受け入れるようにはできておらず、朝は前日の晩に取ったエネルギーがまだ残っているため、そもそも食べる必要もないそうだ。

 むしろ、朝になるとお腹がすいている人の方が問題で、前日に取りすぎた糖質の影響で脳の食欲中枢が刺激され、不自然に空腹感を覚える“糖質ジャンキー”の状態に陥っていると著者は警告する。朝食を抜くと、不必要なカロリーがカットできるだけでなく、食品添加物や残留農薬など体にとって不必要なものの摂取量も減らすことにつながり、一石二鳥なのだ。

 野菜を取るのはいいが、どんな野菜でもよいというわけではない。コンビニなどで売られているカット済みのサラダは手軽さが人気だが、次亜塩素酸ナトリウムに浸して殺菌処理されている場合がある。これは加工助剤と呼ばれ、表示義務も免除されているので原材料表示を見ても分からない。このような野菜を食べても、到底健康にはつながらない。

 それでは、どんな食事が理想的なのか。本書では、調味料は原材料が少ないものを、肉は“氏より育ち”、米は玄米のササニシキ、調理に電子レンジは使わないなど、著者が実践している食事法を紹介。よい食材をよい食べ方で取ることこそ、健康への近道だと教えてくれる。

(フォレスト出版 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?