「ヤクザときどきピアノ」鈴木智彦著

公開日: 更新日:

 教会の日曜学校で、シスターがピアノで賛美歌の伴奏をするのが羨ましかった。白鍵が神の、黒鍵が悪魔の歌を弾くための音階だと思っていた。礼拝堂に忍び込んだらピアノには鍵がかけられていて、その夜、体中に発疹が出た。

 原稿執筆のための缶詰め生活が終わり、映画を見に行った。「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」でABBAの「ダンシング・クイーン」が流れたとたん、涙があふれ出た。――ピアノでこの曲を弾きたい。ネットでピアノ教室を検索し、2日後、見学に行った教室でレイコ先生と出会った。

「『ダンシング・クイーン』を弾けますか?」「練習すれば弾けない曲などありません」

 ヤクザの潜入ルポライター52歳の挑戦。

(CCCメディアハウス 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?