「年収100万円で生きる」吉川ばんび著

公開日: 更新日:

 格差社会と化した日本で貧困にあえぎながら生きる人々を取材したルポルタージュ。

 就職氷河期にフリーターとして社会に踏み出した落合さん(仮名・44歳)は、葬儀屋の派遣社員として働いていた36歳のとき、リーマン・ショックの余波で派遣切りに。別のアルバイトを始めるも収入は半減し、42歳で住む場所を失う。以来、荷物用に借りた月1万5000円のトランクルームで寝泊まりしているという。

 ほかにも体を壊して建設会社の寮を追われ、週1万円のネットカフェで暮らしながら日雇いのバイトで生きる山北さん(同・37歳)や、介護離職した末に軽自動車で暮らす篠原さん(同・52歳)ら16人のそれぞれの実情から、現代社会の病理が浮かび上がる。

(扶桑社 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動