「父 Mon Pére」辻仁成著

公開日: 更新日:

 パリで生まれ育った充路(ジュール)は、9歳で母を事故で亡くして以来、作家で書家の父・泰治によって育てられた。その父が72歳になり、健忘症を発症。たびたび街中で自分がどこにいるのか分からなくなり、充路に助けを求めてくる。語学学校で日本語教師をする30歳の充路には、フランス人の父と中国人の母を持つリリーという恋人がいる。リリーは充路との結婚を望んでいるが、彼はまだ、その気になれない。5年前、リリーは「あなたのお母さんのことで話したいことがある」と突然、充路の前に現れた。リリーによると、充路の母親は彼女の父親が運転する車に同乗中、死んだという。

 自身も異国で子育てを続ける著者による父と息子の物語。

(集英社 560円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方