「ステップファザー・ステップ 新装版」宮部みゆき著
覚醒した「俺」を同じ顔をした少年2人がのぞき込んでいた。13歳の2人は直と哲という名の双子で、俺が空き巣だと知っていた。前夜、彼らは隣家に忍びこもうとして雷に打たれた俺を助けてくれたらしい。2人は警察に突き出す代わりに、分け前をくれと言い出す。両親がそれぞれに駆け落ちしてしまい、生活に困っているらしい。
俺が空き巣に入ろうとしている隣家の女主人は、莫大(ばくだい)な遺産を相続してこの田舎町に引っ越してきたばかり。1週間後、双子が女主人を誘い出している間に隣家に忍び込んだ俺は仰天する。家中の壁に鏡が張られていたのだ。あることに気づいた俺は、後日、改めて隣家に忍び込む。
疑似父子3人の活躍を描くハートウオーミングな事件簿。
(講談社 800円+税)