「『孤独』という生き方」織田淳太郎著

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 5年前、最愛の一人息子を病気で失った著者は、周囲の慰めの言葉も騒音にしか聞こえないほどの失意の底に沈み、ただ独りになりたくて、山奥の禅寺に逃げ込む。周囲10キロ四方に人家がない標高800メートルの深山の寺で、座禅を組み、静かな時間の流れに身を沈め、息子や己と向き合う日々。ふと気がつくと心が鎮まっていた。

 しかし、都内の自宅に帰ると再び心がざわめきだす。氏は寺に通う一方で、近くの山荘を手に入れ、誰にも邪魔されず過ごす中で、失意と悲しみに揺れ動きながらも、心が穏やかに癒やされていったという。

 そうした自らの体験をはじめ、お世話になった住職や自ら「独り生きる」選択をした人たちを取材し、「生きる」とはどういうことなのかを思索するエッセー。

(光文社 990円)

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