「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」中村哲、澤地久枝著

公開日: 更新日:

 2年前にアフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲氏への聞き書き集。氏の活動に感銘を受けた作家の澤地氏が、半生とその活動への思いを聞き、書き留めた。

 中村氏とアフガニスタンの関係は、日本キリスト教海外医療協力会の要請で1984年に、パキスタンのペシャワールに赴任したことに始まる。当時はソ連によるアフガニスタン侵攻のさなかで、多くの難民が診療に押し寄せ、氏はゼロ以下の設備・備品の中で全員に対応。しかし、医療行為を続けていくことにやがて限界を感じる。

 清潔な飲料水と十分な食べ物さえあれば、8、9割の人は命を落とさずにすむと、医師でありながら干ばつ対策に取り組み始める。

 幼少の頃の思い出や家族のことなど、個人史にも触れながら、現地への思いを熱く語る。

(岩波書店 1078円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  4. 4

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  5. 5

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  1. 6

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  2. 7

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  3. 8

    田原俊彦「真ん中の足」「カッチカチ」下ネタ連発で退場危機…フジ問題でも“おまいう発言”で大ヒンシュク

  4. 9

    フジ再激震! オンカジ逮捕「ぽかぽか」演出担当社員が豪語していた夢との落差にア然

  5. 10

    長嶋茂雄さんは松井秀喜の背もたれをガーンと蹴っ飛ばし、「巨人の4番道」を説いていた