「モーリタニアン 黒塗りの記録」モハメドゥ・ウルド・スラヒ著 中島由華訳

公開日: 更新日:

 モーリタニア出身の著者が、あの地獄のグアンタナモ収容所でしたためた手記。

 留学先のドイツで就職した氏は、短期間カナダで働いた後、2000年に12年ぶりに帰国。その間、アフガニスタンで共産政権との戦いのために当時はアメリカに支援されていたアルカイダの施設で軍事訓練を受けた。またカナダで通ったモスクにテロ未遂事件の犯人が出入りしていたことから、帰途にセネガルと母国で2度拘束され尋問される。しかし、証拠がなく釈放。その後、母国で働いているときに9・11同時多発テロが発生し、再び拘束され、グアンタナモに移送されてしまう。

 本書は、潔白を証明し、自らの身に何が起きたのかを克明に記した手記で、情報公開によって日の目を見たものである。多くの黒塗りが収容所内での出来事を生々しく伝える。今秋公開の話題の映画の原作。

(河出書房新社 1562円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐野勇斗は書道六段で英語も堪能 愛知県立岡崎西高校から明治学院大英文学科へ

  2. 2

    これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

  3. 3

    ドジャース大谷翔平「サイ・ヤング賞&首位打者」同時授賞に現実味 4年連続5度目のMVPは既定路線

  4. 4

    「Aぇ!group」草間リチャード敬太は事件から“ほぼ復活” 大阪学院大で学んだ苦労人の前途

  5. 5

    「シニアにやさしい街」日本一の東京都板橋区は何がスゴイ?

  1. 6

    嵐の大野智と相葉雅紀、二宮和也が通信制高校で学んだそれぞれの事情

  2. 7

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  3. 8

    山口組、稲川会、住吉会…最高幹部3者の極秘会食で何が話し合われたのか

  4. 9

    JR東海が政府に安定供給要請も「潤滑油」は代替調達が困難…このままでは日本の鉄道網も危ない!

  5. 10

    阪神藤川監督「オラつき」連発に対戦相手やファンから苦情の嵐《格好いいと思っているのかな》