「黄金旅程」馳星周著
装蹄師の平野敬は北海道の浦河で引退した競走馬が暮らす養老牧場を営んでいる。向かいの栗木湖牧場にいるエゴンウレアに装蹄をしたとき、平野はその柔らかい筋肉に驚き、この馬は超一流の素質を持っていると確信した。
だが、エゴンウレアは気性が荒く、調教が難しい。レースでも本気で走っていない。敬の幼なじみで元騎手の和泉亮介は覚醒剤所持で服役していたが、出所して戻ってきた。敬は亮介にエゴンウレアの乗り役を頼むことにした。
ある日、亮介がエゴンウレアに乗ってやってきた。かつては乗り役を振り落とそうとしていたエゴンウレアが、自分の意思で走っている!
競走馬を育てることに懸ける男たちを描く。
(集英社 1980円)