「統一教会とは何か」有田芳生著/大月書店

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 私は統一教会をヒルだと指摘している。試みに「広辞苑」を開くと、ヒルについてこんな説明がある。

〈ヒル綱の環形動物の総称。体は細長くやや扁平で三四体節から成る。前後両端の腹面に吸盤があり、前吸盤の中に口がある。雌雄同体。吸血または肉食〉

 付け加えれば、反共ウイルスが潜み、特に自民党安倍(晋三)派と共生するということになるだろう。

 このヒルとズーッと闘ってきた著者の「改訂新版」はさすがに年季が入っていて示唆に富む。

 安倍晋三の祖父の岸信介と統一教会の関係についてはいろいろと語られてきたが、岸の女婿で晋三の父親の晋太郎とも切っても切れない縁があったようである。

 中曽根康弘の後継首相の座を竹下登と宮沢喜一、そして晋太郎が争った時、統一教会は晋太郎をその座に就けるべく応援したという。

 第3章の元信者の手記にこんな一節がある。

 埼玉県知事選の応援に行った時、自民党の幹部だった安倍晋太郎が、統一教会員と知って、わざわざ「ご苦労さま」と握手してくれた。それで、とても感激し、「自民党と統一教会はこんなに深くつながっていたんだと安心した」というのである。

 また、宗教団体であることを隠して募金活動をやっていた女性が、玄関を開けるやいなや、犬に太ももを噛まれた。すぐに病院に行って手術となり、7針縫った。

 それを隊長に電話で報告したら、「そうか」と言ったまま沈黙し、その後、「もう手術は終わったんだな」と確認して「じゃあ、いまから、頑張れるな」と続けたという。

 いかにも「いい人」の西川きよしの秘書も統一教会員だったと書かれているが、疑うことを知らぬ「いい人」は私は加害者になるのだと思う。被害者にして加害者である。

 資料として1990年3月25日号の「思想新聞」に載った「勝共推進議員名簿」が出ている。私はそこで、中曽根康弘や渡辺美智雄、羽田孜、森喜朗らの過去の議員と共に細田博之や麻生太郎が並んでいるのに注目した。特にまだ力を持っているといわれる麻生である。

 麻生が岸田に安倍の国葬を強く迫ったともいわれるが、私は麻生こそ統一教会と自民党の一体化のシンボルだと思っている。著者には、この腐れ縁を徹底して暴いて欲しい。

 ★★★(選者・佐高信)

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