「『昭和鹿鳴館』と占領下の日本」山田邦紀、坂本俊夫著

公開日: 更新日:

 終戦まもない8月28日、連合国軍最高司令官のマッカーサーが厚木飛行場に来ることになった。日本の戦闘機の武装解除が必要だが、司令を務めていた小園安名大佐は徹底抗戦の構えであったため、進駐軍と武力衝突しかねない。

 そこで軍部は、重量物運搬業者、大安組の社長、安藤明に厚木飛行場の片付けを依頼した。安藤は500万円という大金でこの仕事を請け負った。8月25日の午後6時から雨の中、作業を開始。小園反乱軍の攻撃もあったが、翌朝までに無事、作業を終えた。

 後に安藤は天皇制を守るために米日福祉協会を設立。さらに、「昭和鹿鳴館」と呼ばれた大安クラブをつくり、GHQの将校たちを招待して、天皇制の必要性を説明した。だが、大安組にMPが捜査に入り、安藤は贈賄容疑で逮捕される。

 旧軍人やフィクサーなどが暗躍した戦後の混乱期を描く。

(現代書館 2640円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に