「第三次世界大戦はもう始まっている」エマニュエル・トッド著 大野舞訳

公開日: 更新日:

 現代最高の知性と称される歴史家がロシアによるウクライナ侵攻の真相を読み解いたリポート。

 そもそもウクライナ問題はソ連崩壊後の国境の修正という「ローカルな問題」で、ロシアは1990年代に行うべきだった国境の修正をいま試みているという。

 しかし、ロシアが対抗する帝国となるのを防ぐためにウクライナを「武装化」してNATOの事実上の加盟国にしたアメリカの政策が、ウクライナ問題をローカルな問題からグローバル化=世界戦争化してしまったと指摘。そうした状況から、我々はすでに第三次世界大戦に突入したと著者は説く。

 アメリカは、支援することでウクライナを破壊していると批判する著者が、この戦争がなぜ始まりどこに向かおうとしているのかを考察する。

(文藝春秋 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか