「九龍城の殺人」月原渉著

公開日: 更新日:

 198X年、18歳の風は、亡母の遺骨とともに香港に降り立つ。生前に聞いた話によると、母は19年前、風姫と呼ばれる非合法組織の長である祖母シェリーと対立して香港を飛び出したらしい。シェリーに遺骨を渡した風は、またいとこのシャクティの力を借り父親を捜す。

 一方でシャクティからホンファを紹介される。貧民街でボランティアをするホンファは風姫からの支援を期待しているようだが、風には何もできない。数日後、シャクティの部屋を訪ねると本人は不在で部屋が荒らされていた。手掛かりは切り取られた1本の指だけ。ホンファの指のようだ。2人を心配した風は、彼女らを襲ったと思われる組織の拠点がある九龍城に単身で乗り込む。

 男子禁制の魔窟内で起きる連続殺人事件を描いた長編ミステリー。

(新潮社 781円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性