「非科学主義信仰」 及川順著

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 分断化が進む米国社会の実相を伝えるリポート。

 米国は、かつて自由、平等、民主主義といった理念を旗印に一つの国家としてまとまっていたが、今や共通の理念を失い、国家が新しい問題に直面するたびに2つの対立するグループに分かれるようになった。

 対立する一方の側は、科学とそれに基づく合理的な判断を信じる人たちで、もう一方は科学や、科学を「錦の御旗」として掲げる人々に不信感を抱く人たちだ。その不信感は「信仰」の域にまで達している。

 ワクチン接種の是非をはじめ、移民受け入れ、銃規制の是非、そして先鋭化する人種差別問題などについて、「非科学主義信仰」にはまった当事者たちの活動を取材。非科学主義が政治を突き動かす現状や、非科学主義信仰拡散の背景を分析する。

(集英社 1089円)

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