「家康の天下取り」 加来耕三著

公開日: 更新日:

 天下の覇者、秀吉に仕え続けた家康は律義者と目されていたが、実はたけだけしい本性を持った人物ではなかったか。

 譜代の重臣の息子に斬殺された祖父、松平清康は激越な性格だった。そんな松平の血を受け継いだ家康の長男、信康は、みすぼらしい装束の踊り手を矢で射殺するなど、凶暴な振る舞いが多かった。

 織田信長が徳川の家臣の酒井忠次に、信康に謀反の企てがあるか問うと、忠次は否定しなかった。

 清康は信長の命で切腹させられたが、家康はその報告を泰然自若として聞いた。動揺を見せれば忠次が謀反し、徳川の家臣は四散して、織田軍が攻めてくるからだ。家康は自分の感情や欲望を捨て、組織と一体になることで生きのびたのだ。

 凡庸に見える家康の戦略と指導力を考察する一冊。

(つちや書店 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    打線強化急務の巨人が今オフ、トレード獲得に舌なめずりする日本ハム2選手の名前

  2. 2

    日本ハム助っ人レイエスに「70万ドル請求訴訟」 タティスJr.も敗れた“収入10%契約”の落とし穴

  3. 3

    日テレが“打倒 VIVANT”へ総力をかけて挑むドラマ「俺たちの箱根駅伝」の勝算

  4. 4

    経済閣僚から相次ぐ「高市総理はリフレじゃない!」の無責任…にじむのは露骨な米国への配慮

  5. 5

    何ら新味なかった高市改造人事で期待できるとすれば、勢いづいた藤田維新の“大暴れ”くらいか?

  1. 6

    歌番組を見ながら紅白を考えた…来春メンバーが2人になる純烈が気になる

  2. 7

    維新から入閣の中司宏新大臣に案の定「裏金疑惑」…高市内閣は支持率20ポイント暴落もある

  3. 8

    川島道行さんは闘病19年 脳腫瘍グレード2で5年生存率は7割

  4. 9

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  5. 10

    WEST.“史上最悪の空中分解”で前途暗雲…10年前のSMAP解散時を超える衝撃