公開日: 更新日:

 家康は、三方ケ原で敗北を喫した際に恐怖のあまりに脱糞したとか、大坂夏の陣では真田信繁の軍勢に敗れ、ほうほうの体で逃げたなどといわれるが、いずれも根拠のない逸話だという。こうした逸話によって武将としての家康には「戦下手」というネガティブなイメージがつきまとっている。

 しかし、現実の家康は決して臆病者でも戦下手でもなかったという。

 初陣の寺部城攻め(1558年)から半世紀以上も戦い続けた家康だが、そのほとんどは信長や秀吉の天下取りの戦いに動員されたもので、主体的に戦った合戦は、関ケ原の合戦(1600年)と大坂の陣(1614.15年)の2つにすぎない。

 通説と異なり、前者で家康が小早川秀秋の寝返りを促すために松尾山への一斉射撃を命じたのはフィクションで、後者では家康には豊臣家を滅ぼす気はなかったという。

 こうした新説を検証しながら、出陣した11の合戦で家康がどのように戦ったのかを解説する歴史副読本。

(星海社 1298円)

【連載】大河ドラマで注目!徳川家康がまるっと分かる本特集

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  2. 2

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  3. 3

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  4. 4

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  5. 5

    ソフトB風間球打にはイップス疑惑…昨季のプロ野球“女性スキャンダル三羽ガラス”の現在地

  1. 6

    高市総裁は就任早々から人事で大混乱…女性応援団たちに“麻市内閣”ポストの目はあるのか?

  2. 7

    一発退場のAぇ!group福本大晴コンプラ違反に「複数人関与」疑惑報道…旧ジャニ“インテリ”枠に敬遠の風向き

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  5. 10

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白