「誰が農業を殺すのか」窪田新之助、山口亮子著

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 農家の高齢化と後継者の不在による離農や耕作放棄地の増加など、日本の農業の衰退が喧伝されて久しい。しかし、日本の農業にとってはこれまでにない好機が到来しているという。

 その妨げになっているのが、実は農政だそうだ。零細農家の退出を食い止めるためにとられてきた「保護農政」の方針を根本的に変えようとしていないからだ。日本の農政が農業の未来の妨げになっている事実を、食と農の現場を通して説いたリポート。

 中国で栽培が広がる「愛媛38号」など、日本の貴重な知的財産である種苗の違法な海外流出への対応や、輸入原料を加工したチョコレートやコーヒーまで農産品に加え「農産物の輸出額」が急速に伸びているように見せかけるミスリードなど、農政の罪を告発する。

(新潮社 946円)

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