「『諜報の神様』と呼ばれた男」岡部伸著

公開日: 更新日:

「『諜報の神様』と呼ばれた男」岡部伸著

 第2次世界大戦中、連合国側から「枢軸国側諜報網の機関長」と恐れられたインテリジェンス・ジェネラルがいた。スウェーデン・ストックホルムに駐在していた陸軍武官の小野寺信だ。

 大戦末期の1945年2月、ポーランド亡命政府からある情報が小野寺にもたらされた。中立だったソ連が米英の依頼を受け、ドイツ降伏の3カ月後に参戦することをクリミア半島ヤルタで正式に決めたというものだ。

 しかし、ソ連の仲介で和平工作を進める参謀本部中枢にとって、その情報は「不都合な真実」でしかなく、「謀略」と決めつけ抹殺した。小野寺は、スウェーデン王室を通じて独自に和平工作にも動くが、それも握りつぶされる。

 本書は、小野寺の人生とその驚くべき諜報活動の詳細を描いた評伝。

(PHP研究所 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか