風俗ガイド本の蔵書から運営支出不正まで… 指定管理者が引き起こす諸問題

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(先週のつづき)

 民間企業に運営を委託する指定管理者制度を導入したことで、「本の森ちゅうおう」(東京都中央区)では司書職が雇い止めになり、貴重な資料も処分されてしまった。

 制度はほかにも問題を引き起こしていると、「中央区立図書館のありかたを考える会」の関係者は語る。

「多くの図書館は本の購入を地元の書店を通して行っており、地元書店にとっては継続的な収入が見込める大きな事業でした。しかし、制度導入後に仕入れ先となったのは、指定管理者と関連のある本屋です。ただでさえ厳しい地元書店の現状に、区と民間企業が制度を利用して、さらに追い打ちをかける意味はあるでしょうか」

 各地でもトラブルは絶えない。神奈川県海老名市では2015年にアジアの風俗店ガイド本が蔵書される、和歌山県では昨年12月に運営支出に多額の不正疑惑があるとして住民監査請求が起こされるなど、問題は多岐にわたっている。

「現場で働いている人が悪いとは思いません。責任があるのは行政です。私たちの会が中央区に出した請願書に対する返答が、2カ月ないということもありました。真剣に向き合う気がないとしか思えません」

 日本図書館協会は2016年の時点で「図書館への指定管理者制度はなじまない」と見解を示している。現場や市民の声を行政はいつまでないがしろにするのだろう。

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