「おやごころ」畠中恵著

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「おやごころ」畠中恵著

 神田古町の名主、高橋麻之助は、元定廻り同心見習いの相馬吉五郎がもちこんだ相談ごとに首をかしげた。旗本の羽山隆信が相馬家を訪れ、嫡男周太郎の悪行のために家が危ういと言って、25両を忍ばせた菓子折りと書き付けを置いていった。書き付けには周太郎が酔って堀に落ちたことが書いてあるだけで、吉五郎が探っても周太郎の悪行がつかめない。

 そこで、周太郎が絵を習っている絵師、狩野雪山を訪ねると、雪山は周太郎が腹を決められないと言う。画才はあるが食べていけるほどではなく、絵師などに婿入りして生きていく道はあるが、旗本の家を捨てられないのだと。

 名主の息子が人々のもめごとを解決する時代小説6編。

(文藝春秋 1650円)

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