「晴れときどき涙雨」髙田郁著

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「晴れときどき涙雨」髙田郁著

 人気時代小説家によるエッセー集。

 漫画原作者時代に夜間中学を取材中、警戒され、話が聞けぬまま日々だけが過ぎていったが、ある夜、生徒の80歳過ぎの在日1世のハルモニがぎゅっと抱きしめて励ましてくれたという。

 そんな忘れられない思い出にはじまり、阪神・淡路大震災で混乱が続く中、駅の雑踏の中で著者が来るのを待って差し入れの食料を手渡してくれた塾講師時代の教え子や、自らが受けたいじめ体験を振り返りながら、現在理不尽ないじめに遭っている子どもらにエールを送る、そして後に代表作となる「みをつくし料理帖」を書き続ける力をくれた有名装丁家からかけられた言葉など。

 多くの出会いを糧にしてきた作家の軌跡と素顔に触れるファン必読本。 (角川春樹事務所 660円)

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