「馬鹿と嘘の弓」森博嗣著

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「馬鹿と嘘の弓」森博嗣著

 探偵事務所の所長・小川と社員の加部谷は、ネット経由で舞い込んだ匿名の依頼で、ホームレスの柚原の日常の観察を続ける。

 依頼人の目的は分からない。台風の夜、尾行していた加部谷はずぶ濡れになった柚原に声をかけ、食事を提供して話を聞く。しかし、まだ20代で、頭も良さそうな柚原がなぜホームレスをしているのか分からない。

 翌日、監視を引き継いだ小川が柚原と接触した初老のホームレスを尾行すると、その男が突然倒れる。搬送先の病院で死亡した男は、元大学教授の飯山で、自宅もあった。柚原は古本屋の前で知り合って本をもらっただけだと話すが、飯山のポケットには柚原の顔写真があったことが分かる。

 お馴染みの小川と加部谷を主人公にした新「XXシリーズ」幕開け。

(講談社 847円)

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