「夏のレクィエム」小川征也著

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「夏のレクィエム」小川征也著

 82歳の男が妻を亡くし、納骨をすませた後、呆然としていた。

 ある日、男は妻のベッドのヘッドボードにA5の小さなノートを見つけた。水分が取れなくなった8月1日から死の4日前の9月7日までの日記だった。

 男にとって思い出したくないことも書かれているが、男は物書きだったので、何度も日記を読み返すうちに、これを土台に小説を書こうと思いつく。

 そう思ったとたん、男は生気を取り戻す。小説は、作家志望の中江友治という男が、喫茶店に入ってきた玉水明子という女に霊感を受け、先輩に声をかけてもらうシーンから始まるが……。

 妻の最期の日々を見つめる男の悲しくも美しい物語。

(作品社 2200円)

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