「優しい暴力の時代」チョン・イヒョン著 斎藤真理子訳

公開日: 更新日:

「優しい暴力の時代」チョン・イヒョン著 斎藤真理子訳

 朝、「僕」はペットのシャクシャクを置いて出勤。勤務先は「金満老人の養老院」の別名を持つ高級住居型シルバーコミュニティーだ。事務所で制服に着替え、入居者たちの部屋に向かおうとしたとき、ミス・チョ女史から着信があるが、勤務中は通話を禁じられている。

 5歳のとき、母が亡くなり、以後、父親はさまざまな女性と交際。ミス・チョもそのひとりだった。僕が全寮制の高校に進学した後、父と暮らしていたのが彼女だ。数年前に、SNSを通じて彼女が僕を捜し出し、以来、メッセージをやりとりしたり、たまに食事したりするようになった。終業後、僕は彼女が亡くなったことを知る。(「ミス・チョと亀と僕」)

「都市の記録者」の異名を持つ韓国の人気作家による作品集。

(河出書房新社 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒