「伊達女」佐藤巖太郎著

公開日: 更新日:

「伊達女」佐藤巖太郎著

 天正16(1588)年2月、義姫は息子の政宗が率いる伊達軍が大崎家との戦いに敗れたと聞き、動揺する。実家の最上家が大崎家に加担していたからだ。このままでは息子の政宗と兄の義光が争う事態になりかねない。伊達家にとって最上と和睦を結ぶのが最良の選択だとは思うが、政宗は義姫を遠ざけ、進言もままならない。

 見かねた義姫は出入りの商人を介して、兄・義光へ手紙を届け和議を提案。義光から和睦に応じてもよいという返事が届くが、伊達家と最上家の交渉は膠着状態に陥ってしまう。業を煮やした義姫は、戦支度を整え、両軍がにらみ合う国境に自ら出陣する。

 ほかにも、妻の愛姫や養育係の喜多ら、伊達政宗に近しい女性たちを主人公に描く時代短編小説集。 (PHP研究所 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する